自分はしっかりと法定速度を守り、安全運転を心がけていても、事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。

そして、残念なことに自動車保険料が影響を受けてしまうことがあります。

自動車保険を正しく理解するためには、いつどんな時に自動車保険を使うか、という点にも注目しておく必要があるのです。

思わぬところで事故に巻き込まれてしまった相場さん(仮名・36歳・女性・兼業主婦)からお話を聞きました。

相場さん(仮名・36歳・女性・兼業主婦)の体験談

事故の状況


Q:
事故が起きた時の状況を教えてくださいますか?

A(相場さん):
こちらは見通しのいい直線道路を普通のスピードで走っていました。
私はスピードを出すことが好きではないので、法定速度内です。

直線道路の途中に左から来る脇道があってT字路になっているんです。
そこから相手の車が急に飛び出して、右折して反対車線に行こうとしたんです。

相手の車が一時停止もしないで右折してきたわけです。

だから私の視界に入ったと思ったらすぐに飛び出してきました。
とっさにブレーキを踏んだものの、相手の車の側面に衝突してしまったのです。


Q:
かなり危険な運転ですね。
車の被害はどうでしたか?

A:
減速したとはいえ、至近距離でしたので、こちらの車のフロント部分は大破しました。
完全に走行不能になってしまいました。


Q:
お怪我はなかったのですか?

A:
もちろんケガもしました。首がむち打ちになり、膝を打撲しています。


もらい事故でも過失ゼロにならない場合


Q:
相場さんとしては、自分に過失はないという認識なのですね?

A:
とうぜんです。
一時停止の義務はあちらにありますし、こちらは法定速度内で注意しながら走行していたのですから。
カーブミラーが必要になるような場所でもないですし、見通しがよくてこちらの車も見えていたハズです。

それを急に飛び出して来るなんて、通常は想定できないと思うんです。


Q:
過失割合についての話し合いは?

A:
もちろんしました。
保険屋さんを通してですけど。

ただ、やはり100%相手側の過失にはならないようで、相手9対こちら1というところが限界でした。

それでも、保険を使ったら3等級ダウン扱いになってしまい、年間で21,000円ほど保険料が上がってしまいました。


事故有係数適用期間


Q:
3等級ダウン事故として扱われてしまったのですね?

A:
そうなんです。
加入後ずっと無事故で15等級まであがっていたのですが、事故ありの12等級になり、元に戻るのは4年後。

順調にいけば4年後には19等級で、保険料はだいぶ安くなるはずでした。
それが、8年後にまで伸びてしまいました。


Q:
3等級ダウンは次年度から3年間、保険料が割高になる事故有係数適用期間になってしまいます。
1等級ずつ復帰していくものですから、無事故の15等級に戻るまで時間がかかりますよね。

保険会社の見直しなどはされたのでしょうか?

A:
もちろんです。
すっかり等級の変動に敏感になってしまい、保険料固定の契約に切り替えました。


Q:
今後どんな自動車保険があると良いと思いますか?

A:
単に事故で保険を使ったという事実だけではなく、過失の割合を保険料に反映させるような仕組みを開発してほしいです。
3年固定のような契約でも、結局は満期後に事故の件数で等級が下がるわけですから…。


相場さん、ありがとうございました。

保険を使うとソンをする!?

自動車保険の中には特約によってノーカウント事故(等級に影響がない事故)として扱う場合もありますから、全てのもらい事故が等級に悪影響を及ぼすわけではありません。

しかし、相場さんのようにわずかな過失割合であっても、等級ダウンとペナルティー期間(事故有等級適用期間)が課されることもあります。

事故の規模や車の破損状態によっては、自動車保険を使うかどうか判断が必要な場合があることを知っておきましょう。

例えば、「事故有等級適用期間内で余分に支払う保険料」よりも、「修理費用のほうが安い」ような場合は、自動車保険を使わないという選択肢も考えられます。

15等級から3等級ダウンで、次年以降、事故有の12等級→13等級→14等級を支払うことになりますが、ダウンしなければ16等級→17等級→18等級の保険料ですみます。

事故前の年間保険料を40,000円とした場合の支払いイメージ

事故前の年間保険料を15等級の4万円と仮定して、事故有の年間保険料と事故無しの年間保険料を比較してみましょう。

自動車保険を使った翌年の年間保険料は、事故有の場合だと3等級下がって12等級になるので年間保険料は6万円です。

反対に、自動車保険を使わない場合の翌年の年間保険料は、事故無しの16等級で年間保険料は39,000円です。
これだけで年間保険料は、21,000円も違ってきます。

これが5年間の総額だと64,000円の違いになってくるわけです。

事故の前と同じ事故無しの15等級で年間保険料が4万円に戻るのは4年後になってしまいます。

事故前の年間保険料を40000円とした場合の支払いイメージ

無事故でも12等級と16等級では差があるのに加えて、事故有等級の12等級ならなおさら差が大きくなるのです。

無事故の12等級では48%の割引が適用されるのに対し、事故有等級の12等級では27%の割引になってしまいます。

ノンフリート等級別料率制度について知っておく

自動車保険の契約は、一般の人だとノンフリート契約の方がほとんどでしょう。

ノンフリートの場合は、等級別に保険料が変わってきます。
1年毎に1等級ずつ上がっていき、20等級以上にはなりません。

そして、等級別に保険料の割引率が変わって来ます。

下の表はひとつの例ですが、損保会社ごとに同じようなテーブルが使われています。
ノンフリートで同じ12等級といっても、事故有(じこあり)の場合は27%の割引率、無事故の場合は48%の割引率になるのです。

ノンフリート等級別料率制度 同じ等級でも事故有と無事故では割引率が異なる

このような保険料の差をシミュレーションしつつ、修理費用や通院費と比較していくことが大切です。

もらい事故と車両保険

車両保険にも加入している場合には、保険料が高額になりやすい傾向にあるのでしっかりと検討した方がいいですね。

必要に応じて自動車保険の見直しをすることも大切なことではないでしょうか。